株の強気相場は終わったのか、弱気相場が始まるのか

 In Japanese
4.9
(14)

米国株式市場は最近急落したが、そこから回復して強気相場に戻るのかどうか疑問に思っている市場参加者は多いはずである。今後何が起こるかを理解する為に、今回はダウ平均株価指数(ダウ)の過去5年間の動きを振り返ってみる。

ファンダメンタルズからして、ダウで18,200や24,000という水準は重要な節目である。直近では大きく売られた後に買い戻されたが、今後ダウの上値は24,000になるだろう。以下にて過去5年で株価が変動した要因を確認してみることにする。

まず2013年に米FRBがテーパリング(資産買い入れの縮小)を開始した時を見てみる。当時、QE(量的緩和)による強気市場が続いていたが、それが終わるという懸念が高まった。しかし、米FRBが2015年に実際に利下げを開始するまで相場は上昇し続けた。利上げにより景気は軟化することが多く、当時ダウは2年近く18,200が上限になっていた。18,200は高すぎるという見方が多かったことが分かる。

しかし、2016年末にトランプ大統領が就任すると、ダウは18,200を上にブレークした。トランプ大統領が規制緩和、財政支出といった大企業の収益が増えるような公約を出したことで市場は上昇した。

そして2017年にはダウは史上最高値を更新し続け、2018年初めに25,000に到達した。株価が割高だという意見は多かったが、成長株が物色され、FAANG(主要ハイテク銘柄)に資金は流入し続け、市場全体が上昇した。トランプ大統領の政策で企業収益は増え、ダウが25,000になってもおかしくないという見方が広がった。

株価がかなり割高だったところに、世界経済の減速を懸念する声もあり、今まで10年サイクルで起こっている経済危機が2018年に起こるという意見も多かった。

その結果、市場ではまばらで不規則な動きが目立つようになった。しかし、何度か大きな動きがあったにも関わらず、24,000台は維持され、18,200の次の新しいサポートとなった。

24,000が新たなサポートとなった上に、トランプ政権の2018年の税制改革で大企業は資金を米国に戻し、それが自社株買いや買収を通じてダウの上昇に繋がった。ボラティリティを見ると投資家は24,000という高い水準にあまり納得していなかったようであり、リスクセンチメントが高まる局面では売られやすくなっていた。

2019年にも市場は上昇し続けた。今度はFRBの金融緩和がサポートとなった。債券市場では利回りカーブは既にリセッションとなる可能性があることを示していたが、市場には根拠のない陶酔的な見方があり、ダウは2020年にも高値を更新した。

実際に市場にはもう何年も前から急落リスクはあった。RORO効果を通じた市場の変動からして、懸念が高まりつつあったことが分かる。ROROは「リスク・オン-リスク・オフ」という意味であり、リスク・オンの時には投資家は利回りを追求し、危険な状況になるとリスク・オフとなり安全への逃避の動きが起こった。

最近の急落が起こるまでにマクロがどう変化したかを見ると、簡単に結論が導き出せる。2018年から2019年にかけてダウが24, 000から30, 000近くに上昇したが、それは経済のファンダメンタルズを手掛かりとしたものではなく根拠のない陶酔的な利回り追求の動きであった為、結局24, 000以上を維持できなかったということである。投資では、変動の大きい不規則で陶酔的な動きを追うのではなく、論理的な根拠のある継続的な動きに資金を置くべきである。

振り返ってみると、企業収益の減少と成長見通しの悪化からして、2017年に株価が上昇した後に既に割高だったのは明らかである。トランプ政権の税制優遇と企業の自社株買いが無ければ、ダウの上昇は続かなかっただろう。FRBが金融緩和を行わなければ、2019年に陶酔的な利回り追求は続かなかっただろう。

現在ウィルス感染の拡大懸念が広がる中でも、過去の陶酔的な見方がまだ残っており、底で買ってV字回復を期待している投資家が多いのは意外である。これが直近のリスク・オンの動きである。企業の収益増加が期待できるのはまだ何カ月、何年後かと思われるが、再びリターンを追求する動きが起こった。

しかし、一つ前向きな点は株式市場を支える為に、FRBが巨額の流動性を供給し、直接的に介入しており、実質的ではないがサポートとなっていることである。しかし、利回りの追求の動きが弱まっており、市場がダウを再び追いかける理由を見つけるまで時間がかかるだろう。

18,200が底となるだろうか。トランプ大統領の任期は今年で終わりかもしれず、FRBは金融システムを維持する為には何でも行うという姿勢であり、流動性供給を再開したことで保有資産は倍増して4-5兆ドルとなった。この状況下ではいつ懸念が高まって、18,200を下に抜けてもおかしくない。

– RT

How useful was this post?

Click on a star to rate it!

Average rating 4.9 / 5. Vote count: 14

No votes so far! Be the first to rate this post.

We are sorry that this post was not useful for you!

Let us improve this post!

Tell us how we can improve this post?

Recent Posts