CEOからの発信

レイモンド・タンCEOによる最新ニュース・予想

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FRBが今の方針を続けることを市場が再確認すればモラルハザードが誘発されるか

株式市場が活気づき、抗議デモが世界で広がる中で、本日FRBは6カ月ぶりに経済見通しを発表する。政策が大きく変更されることは無さそうだが、FRBがハト派のフォワードガイダンスを維持し、必要な限り刺激策を行う準備があるということを確認する内容になると市場参加者は予想している。

FRBは新しい対策・政策を導入し、「必要なだけの支援をする」というアプローチを取っているが、これまでそれが市場に与える影響は大きくないとしている。しかし、FRBがモラルハザードに関して難しいバランスを取らなければならない立場にあることに市場の関心が集まっている。

経済学上は、自身がリスクをすべて負わなくていいことで、リスクへのエクスポージャーを増やすようになる時にモラルハザードが起こる

ビル・ダドリー前ニューヨーク連銀総裁は先週インタビューで以下のようにはっきりと答えている。

「FRBの選択肢は、景気回復は無く不平等を抑えるか、金融資産の価格を上げて景気を回復させ不平等を拡大するかのどちらかである。FRBの動きは過剰なリスクテイクとモラルハザードを助長している。この状態を続けるのは良くないと思われるが、止めるのも難しい」。FRBの政策と最近活況な金融市場に関しては、「ヘッジファンド、住宅ローンREIT、ミューチュアルファンドといった資産への資金の流れを止めれば、景気後退に陥ることが懸念されるが、そのリスクは誰も取りたくない」と述べている。

実際にFRBは経済減速を和らげる為にかなり積極的に各種対策を行っている。可能な限りの債券買い入れを行う準備であり、景気回復の為にあらゆる手段を用いるというスタンスだということを引き続き投資家に示している。

投機には絶好のチャンスである。企業救済や政策でサポートされた資産価格を見て、多くの投資家がチャンスに飛びつき、株を急激に買い、株価はパンデミック前の史上最高値近くに戻った。債務超過企業、ゾンビ企業、倒産企業にまで資金を注ぐような状況も起こっており、アナリストはこういった動きは金融安定性を損なうと懸念している。

最近の資産価格の急激な回復の主な原因はFRBの動きであるが、実際の米国社会「メインストリート」では、コロナウィルスの感染で何千万人という低所得の人と、黒人・ヒスパニックが雇用を失い、所得が減るという不平等で壊滅的な状況を招いている。

しかし、7月以降に終了する予定の政府のパンデミック失業給付のうち、こういった実際に影響を受けた人々に支払われたのは3分の1に過ぎない。また、FRBの企業融資制度を通じで、何十億ドルという現金が株主還元となり、役員の報酬に用いられる一方で従業員の雇用は確保されない。

FRBのデータでは、米国家計の半分強(約6,500万人)が何等かの形で株を保有しており、その60%以上が白人家庭である。

しかし、金融資産の多くを保有している一番裕福な層のアメリカ人がFRBによる過去最大の支援策で金融市場が上昇した恩恵を一番受けている。

人種差別に対して世界中で抗議デモが広がる中で、FRBはこれが経済に新しいリスクとなることを防ぐ必要がある。パウエル議長は議長就任以来、政策の効果の不平等や配分に取り組む必要性があることを認識していると述べており、抗議に同意する動きと、それが意図に反するような悪い結果を招く可能性の間で難しいバランスを取らなければならなくなっている。

コロナウィルスとそれが長期的に与える影響に関して分かっていないことが多く、今後FRBは慎重になり、トーンは曖昧になると予想している。これまで株と国債利回りは上昇したが、経済をサポートする為にできることは何でもするというスタンスが変われば、市場は一転して混乱する可能性がある。もう一つ、先週経済成長率と相関のある失業率が意外にも低下したことも気になる。

市場はFRBが景気支援策を続けることを信じているが、2008年以降、金融市場と実体経済のファンダメンタルズが乖離することが多い。勿論、実体経済が重要である

米国全体で抗議デモが激化し、コロナウィルスの影響も続く中、今株を買えば、来期の企業の収益の20倍以上の価値を払うことになってしまう。

もし倒産が増えれば…

もし企業収益が弱く推移すれば…

もし失業率が例外的に高いままなら…

そして、もし世界の景気後退が現在市場が織り込んでいるよりも深刻なら…

以上のことを市場が認識するようになれば、ここ2週間ほどの強い買いは終わり、急速に売られる可能性が高い。 時節柄どうぞご自愛くださいますよう​​​​​​お願い申し上げます。

– RT

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市場は楽観的なのか単に分かっていないだけなのか?

米国主要株式の指標であるS&P500は驚くほど上昇しやすく、弱気の兆候が出てもそれを切り抜け、2月につけた史上最高値の10%下まで戻った。先月S&P500は夏の終わりまでに18%下落するだろうと予想していたゴールドマン・サックスのアナリストも急いで予想を改定し、株価の下値目標を引き上げた。

株式と債券がここ数週間買われている理由は何だろうか。米FRBと強気の投資家の買いがその原因である。

FRBには金融危機を回避する為にはどんな手段も用いる準備があり、数兆ドルの資金貸出制度を設定し、資産価格を下支えして、米国経済の再開をサポートしている。しかし、この好調な市場は景気に関して多くの悪材料が出ていることと矛盾している。投資家は4,000万人が米国で失業給付を申請していることを認識しているのだろうか。欧米の大手航空会社が何万人という従業員を解雇していることはどう見ているのだろうか。

これは金融市場と現実世界が乖離していることを示している。

この乖離は、大型の景気刺激策が行われる中で、一旦都市封鎖や移動制限が解除されれば経済はすぐに回復すると投資家は予想しており、盲目的に楽観的であることを示している。最近の上昇相場の中で、多くの投資家が近い将来にワクチンが間もなく開発され、企業収益も大きく改善すると過信していることで、強気相場が助長されているという懐疑的な見方も多い。ワクチンの開発には時間がかかり、経済の再開で感染第二波が起こって更に封鎖を強化しなければならない可能性もあり、そうなれば景気回復は阻まれると専門家が警告しているにも関わらずこういった状況になっている。

今のところ買いが続いており、こういった疑念は間違っているように見えている。「取り残されることへの不安(FOMO:Fear of Missing Out)」によって新たに買いの動きに加わる人もおり、こういった人々は最近の上昇相場のモメンタムが続くことを望んでいる。

都市封鎖が最初に導入されて以降、証券会社では株式購入の為の新規口座開設が増えている。人々が実際に楽観的である兆候なのか、若しくは退屈な封鎖生活のせいだろうか。オンライントレードは手軽であり、「押し目買い」の考えが広がって、新しい個人投資家を惹きつけている。受託者の資産を運用するファンドマネージャーには、特に現在金利商品の利回りがゼロに近いこともあり、株を買わなければならないというプレッシャーが掛かっている。

取り残されるのが嫌なFOMO投資家が増えていることで最近相場が回復したとはいえ、各方面でリスクはまだ高い。封鎖解除後に弱気のサプライズや深刻な感染第二波があれば、資産価格は突然下がるだろう。

まだ分からないことが多く不透明感が高い中で、利益を追求しているFOMO投資家は無謀だと言える。しかし、米国当局は大規模な財政政策と金融政策で経済を支えることを約束しており、それが市場の信頼感に繋がっており、そのうちまた大きな売りがあると考えるべきかもしれないが、それはすぐには起こらないかもしれない。

現時点では、小さなことで市場が反落することはなさそうであるが、大きな材料があれば転換点となるしれない。商業用不動産、銀行の健全性に重要な企業や消費者融資が危機的状況になるようなことがあれば、各国の中央銀行はそれを切り抜けることができるかどうかを試されるだろう。米中関係が悪化していることも市場の悪材料となり得る。

ここ数週間で米国株式市場が上昇したが、多くの楽観的な前提の上で起こっている。コロナウィルスが世界経済に与える影響はまだ初期段階であり、今後世界経済がどうなるかは誰にも分からないが、投資家は今後の紆余曲折に備えるべきである。物事が今の楽観的な前提通りに進んだ場合にのみ、現在の株式のバリュエーションは妥当と言えるかもしれない。

自粛生活が続きますが何卒ご自愛ください。

– RT

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市場に漂う根拠なき陶酔感にご注意を

市場では不透明感が高まり、ボラティリティが上昇している。これはファンダメンタルズを正確に分析した上での動きではなく、投資家が混乱して、カジノのギャンブル状態になっていることを示している(都市封鎖で営業しているカジノはないと思うが!)。

常に指摘していることだが、当社では投資はトップダウン分析によって行うべきだと考えている。ある価格の動きに対して理由が一つだけであることはないが、既にある情報を理解しようと努めることが重要である。当社では、詳細な分析と慎重な観察によって現在の変化を迅速に評価し、投資戦略を立てている。

本投稿を執筆している時点で、ダウ平均株価指数は私が既に上限だと指摘した24,000近辺にある。史上最高値から下落し、その後50%修正したことになる(図1に示す)。

図1に示す

現在、投資家は以下のことを疑問に思っているはずである。

1.株価が回復した理由
2.このまま相場は回復するのか

以下でこの疑問に順番に回答していくことにする。

1.株価が回復した理由

図2に示す

先週買いが起こったのは、テクニカル要因で売られ過ぎだったこと以外では、以下のことが背景となっている(上図2にあるように)。

トランプ大統領が原油価格に介入:トランプ大統領の口先介入を受けて、OPECと主要産油国が日量1,000万バレルの生産削減に合意したことで原油市場に期待感が広がった。これによりやや強気の見方が台頭して石油関連株にやや勢いが戻り、ダウの底が形成された。

トランプ大統領の経済活動は再開するとの楽観的な見方:ウィルス感染者数が「カーブ」のピークを越えそうだと述べたトランプ大統領の楽観的な見方に反応して、ダウは急上昇した。投資家は買うための理由を探しており、トランプ大統領の米国経済を再開させたいという意図に急に反応した。しかし現実には、米国の経済指標は企業がウィルス感染の影響をかなり受けていることを反映し始めたところであり、今後雇用が大幅に減少することが予想されている。

米FRBの景気刺激策:そして、FRBは中小企業への直接的な融資を通じて2.3兆ドルを供給するという大型支援策に乗り出した。この規模はGDPの約10%に当たり、COVID-19の打撃に対して他国が行っている刺激策と似たような規模であるが、現在の米国政府の債務額と債務上限規定(米国債シーリング)からして、政府内で問題となるだろう。システムが既に弱くなっているところに、債務問題が更にどの程度の打撃となるかはまだ分からない。

既に述べたように、当社ではAI(人工知能)テクノロジーへ投資していることもあり、グローバルマクロ運用において、市場のそれぞれの動きに対してファンダメンタルズ上の理由を見つけるのを第一歩としている。こうすることで状況をより正確に分析することができ、より明確な根拠に基づいて将来の予想をすることが可能になっている。

2.この回復は続くのか

以下で各要因を検証し、この動きが続くかどうかを考えてみる。

原油価格に関しては、トランプ大統領は就任一日目からはっきりとした介入を行っており、市場に対して重要なシグナルとなってきた。原油価格が今の低水準に留まるなら、米国の多くの原油生産会社は破綻することになり、選挙年にそうなることは避けたいとトランプ大統領は考えている。特に原油生産量の大きいニューメキシコ州やコロラド州では影響が大きくなる。しかし、市場は直近で産油国が合意した削減量は十分で無く、ウィルス感染の拡大による需要減少の方が大きいと見ているようで、実際には原油価格は金曜日の下値近辺にある。

COVID-19の感染者数がピークを越えるか、経済活動を再開できるかに関して、判断を下すのは時期尚早である。更に、感染の第二波がどうなるかもまだ懸念材料である。感染者数は鈍化しておらず(実際には現在感染者数はピーク近辺のままである)、リセッションが始まりそうであり、経済回復はまだ先となるかもしれない。

FRBの景気刺激策の規模はGDPの10%に近く、他国の刺激策の規模に近い。しかし、米国は失業保険申請件数が3週間で史上最大の2,000万件近くとなり、エコノミスト誌は失業率が30%まで上昇すると予想している。感染者数が減少し始めても、通常の経済活動に戻るまでに何カ月、何年とかかるだろう。企業収益も大幅に減少することが予想される。

それでも価格は回復するか

経験則から、株式市場は企業の収益の減少に沿って下落する。世界のリセッションがどのくらい深刻になるかを考えると、今年利益は半分になりそうであるが、ダウは底から戻ってピークから20%以内のところにある。通常米国株は一旦30%下落し、経済がリセッションになれば、その後底を打つまで6カ月以上かかる。COVID-19では、6カ月程度ではまだ先は見えないだろう。よって、今が底だと考えるのは無謀なことであり、ギャンブルである。当社では投資においてそのどちらの要素も排除している。

史上最大規模の刺激策が行われ、経済的打撃を和らげることができるという期待はあるが、過去の例からして株式市場の急速な回復にかけるのは、奇跡を期待しているようなものかもしれない。

今後、不透明感とボラティリティにどう対応するべきか

先週の株価回復は、各政策当局の意図を反映しただけの根拠のない陶酔が起こったことが原因である。情報が影響し、手段を選ばない政府の介入でリスク・オンの動きが再開した。しかしこの動きのせいで「市場」は歪んでおり、陶酔に追随して投機すべきではない。今の価格は実体を反映しておらず、政府が指針で希望していることを反映している。トランプ大統領がビジネスマンであるのは皆の知るところであり、選挙対策の為に口先介入で市場を支えようとしている。しかしこれは実体を反映しておらず、過去に例のない大規模な政治的・経済的動きが市場価格を形成している。

人生では時間が経たないと分からないことがある。当社では、長期的には真実が現れると考えている。よって慎重に投資をしたい。コロナウィルスにより経済が大きく減速し、3週間で2,000万人が失業したが、これは今後起こる失業率上昇、設備投資減少、流動性低下といった悲劇の始まりに過ぎない。サプライチェーンの混乱と消費の減少で企業収益が大きく減少するということは想像に難くない。

とはいえ、FRBの無限の刺激策がリスク・オンの動きに全く影響しないと言っているわけではない。根拠がなくとも、市場は最終的に参加者の意図で構成される。よって、2008年の世界金融危機後の量的緩和政策で起こったように、このような危険な投資行動が新常態となるかどうかを観察していく必要がある。こういった陶酔感は、実体経済が受けた打撃が大きいということが明確になれば消えていくはずであり、今回はそうなる可能性が高いと当社では予想している。

誰がレースに勝つかは分からない。経済に与える影響がどうなるかを予想するには現時点ではまだ情報が足りない。一つ確かなのは、2008年の世界金融危機の後と同じことが起きると考えるのは楽観的すぎるということである。

– RT

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株の強気相場は終わったのか、弱気相場が始まるのか

米国株式市場は最近急落したが、そこから回復して強気相場に戻るのかどうか疑問に思っている市場参加者は多いはずである。今後何が起こるかを理解する為に、今回はダウ平均株価指数(ダウ)の過去5年間の動きを振り返ってみる。

ファンダメンタルズからして、ダウで18,200や24,000という水準は重要な節目である。直近では大きく売られた後に買い戻されたが、今後ダウの上値は24,000になるだろう。以下にて過去5年で株価が変動した要因を確認してみることにする。

まず2013年に米FRBがテーパリング(資産買い入れの縮小)を開始した時を見てみる。当時、QE(量的緩和)による強気市場が続いていたが、それが終わるという懸念が高まった。しかし、米FRBが2015年に実際に利下げを開始するまで相場は上昇し続けた。利上げにより景気は軟化することが多く、当時ダウは2年近く18,200が上限になっていた。18,200は高すぎるという見方が多かったことが分かる。

しかし、2016年末にトランプ大統領が就任すると、ダウは18,200を上にブレークした。トランプ大統領が規制緩和、財政支出といった大企業の収益が増えるような公約を出したことで市場は上昇した。

そして2017年にはダウは史上最高値を更新し続け、2018年初めに25,000に到達した。株価が割高だという意見は多かったが、成長株が物色され、FAANG(主要ハイテク銘柄)に資金は流入し続け、市場全体が上昇した。トランプ大統領の政策で企業収益は増え、ダウが25,000になってもおかしくないという見方が広がった。

株価がかなり割高だったところに、世界経済の減速を懸念する声もあり、今まで10年サイクルで起こっている経済危機が2018年に起こるという意見も多かった。

その結果、市場ではまばらで不規則な動きが目立つようになった。しかし、何度か大きな動きがあったにも関わらず、24,000台は維持され、18,200の次の新しいサポートとなった。

24,000が新たなサポートとなった上に、トランプ政権の2018年の税制改革で大企業は資金を米国に戻し、それが自社株買いや買収を通じてダウの上昇に繋がった。ボラティリティを見ると投資家は24,000という高い水準にあまり納得していなかったようであり、リスクセンチメントが高まる局面では売られやすくなっていた。

2019年にも市場は上昇し続けた。今度はFRBの金融緩和がサポートとなった。債券市場では利回りカーブは既にリセッションとなる可能性があることを示していたが、市場には根拠のない陶酔的な見方があり、ダウは2020年にも高値を更新した。

実際に市場にはもう何年も前から急落リスクはあった。RORO効果を通じた市場の変動からして、懸念が高まりつつあったことが分かる。ROROは「リスク・オン-リスク・オフ」という意味であり、リスク・オンの時には投資家は利回りを追求し、危険な状況になるとリスク・オフとなり安全への逃避の動きが起こった。

最近の急落が起こるまでにマクロがどう変化したかを見ると、簡単に結論が導き出せる。2018年から2019年にかけてダウが24, 000から30, 000近くに上昇したが、それは経済のファンダメンタルズを手掛かりとしたものではなく根拠のない陶酔的な利回り追求の動きであった為、結局24, 000以上を維持できなかったということである。投資では、変動の大きい不規則で陶酔的な動きを追うのではなく、論理的な根拠のある継続的な動きに資金を置くべきである。

振り返ってみると、企業収益の減少と成長見通しの悪化からして、2017年に株価が上昇した後に既に割高だったのは明らかである。トランプ政権の税制優遇と企業の自社株買いが無ければ、ダウの上昇は続かなかっただろう。FRBが金融緩和を行わなければ、2019年に陶酔的な利回り追求は続かなかっただろう。

現在ウィルス感染の拡大懸念が広がる中でも、過去の陶酔的な見方がまだ残っており、底で買ってV字回復を期待している投資家が多いのは意外である。これが直近のリスク・オンの動きである。企業の収益増加が期待できるのはまだ何カ月、何年後かと思われるが、再びリターンを追求する動きが起こった。

しかし、一つ前向きな点は株式市場を支える為に、FRBが巨額の流動性を供給し、直接的に介入しており、実質的ではないがサポートとなっていることである。しかし、利回りの追求の動きが弱まっており、市場がダウを再び追いかける理由を見つけるまで時間がかかるだろう。

18,200が底となるだろうか。トランプ大統領の任期は今年で終わりかもしれず、FRBは金融システムを維持する為には何でも行うという姿勢であり、流動性供給を再開したことで保有資産は倍増して4-5兆ドルとなった。この状況下ではいつ懸念が高まって、18,200を下に抜けてもおかしくない。

– RT

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もうすぐ景気回復すると思いますか?期待しすぎないように。

まだ経済が前に進むことは期待できない。先週、欧州と米国の市場は回復したが、COVID-19の新たな感染者数と死亡者数が今後何週間に渡り急速に増加する可能性があることを考慮していない動きである。

ここ1週間で、世界では実際にCOVID-19の感染拡大を抑える対策が拡大された。中国といった殆どの国が国境を封鎖して外国人の入国を止め、シンガポールではソーシャルディ・スタンシング(他人との距離を取る動き)が強化されている。今のところ、状況は持ちこたえている日本でもオリンピックを1年延期することが決まった。

一旦抜本的な対策が導入されれば、COVID-19を抑えるのは時間の問題である。中国では、完全封鎖が行われてから新たな感染者数が減り始めるまで約2週間かかった。しかし、欧米諸国は一部封鎖しか導入しておらず、恐らく新たに確認される感染者数は当面収まらないだろう。

そして先週の木曜日、米国で週次の失業保険申請件数が過去最高になったことで、ウィルス感染による経済破壊が既にかなり大規模であることが確認された。アメリカでは1週間で史上最高の330万人が失業給付を申請した。

2兆ドルの景気刺激策法案が上院で可決され、経済への打撃を抑えるのに役立つことが期待されるが、COVID-19の経済的影響は広範囲に渡って拡大しており、既に弱い金融システムが限界に近付けば、この刺激策は十分でなく、今後数カ月で追加の財政支出が必要となるだろう。

その後景気が回復したとしても、既にかなり弱い個人の所得と消費者信頼感が回復するのに時間がかかるのは明らかである。消費者信頼感は元来脆弱であり、経済ショックが大きい場合、その打撃が長期間残ることが多い。今回はまだそれが始まったところである。一旦危機が終われば、多くの人が国境間の移動を始め、休暇を取り、裁量消費が始まると願うのは楽観的すぎるかもしれない。

この状況において、投資家は慌ててリスクを取ることなく、慎重になるべきだと私は考えている。当然、当社では何が起こるかを観察しており、今後状況がはっきりしてくれば、投資家の皆様の利益の為に最善の決定をするつもりである。

追記:私の発信は皆様のお役にたっているでしょうか。ご意見や質問等ございましたら、何なりとお申しつけ下さい。以下の「メッセージ」ボタンをクリックすることでコメントを残して頂けます。いつも貴重なご意見を頂き感謝しております。次回のブロードキャストもぜひご覧下さい。

– RT

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V字回復か?-その可能性は低い!

多くの投資家から連絡がある。株式市場は現在割安なのか、今後幾らか上昇するのだろうかという話が多い。「相場を張るべきでない」というのが私の意見である。今回のウィルス感染が世界経済にどう影響するかは誰にも分からないからである。ウィルス感染が収まったとしても、景気は順調に回復して失われた時間は戻るだろうか。更に怖いのは、流れが完全に変わる可能性もあることである。

当面、このウィルスの感染を防ぐ方法は見つからないだろう。現状を理解するには3つのポイントがある。

まず、今回のウィルスの世界的な感染(パンデミック)に関することである。COVID-19が市場の混乱の原因である。都市封鎖で世界の経済活動は停止している。投資家はそれが経済に与える損害の程度を予想できずパニック売りに走っている。ウィルスが世界経済に打撃となるのは確かで、世界で感染が広がる中で次に何が起こるか誰にも分からない。治療法が見つからない限り、経済は好転しないだろう。しかし、まだはっきりとした進捗はない。

次に、ウィルス感染の経済的影響である。旧正月にウィルスが発生し、それ以降世界のサプライチェーンは大きく混乱している。当初このウィルスは中国だけの問題と思われたが、世界中に感染が広がった。感染の広がりを止める試みとして、各地で都市封鎖やソーシャル・ディスタンシング(人との接触の回避)が行われている。一旦感染が収まったとしても、経済が正常化するのにどのくらいの時間が必要だろうか。ウィルス感染が抑止できるという見通しが立つまで、誰も結果を予想できない。しかし、世界がリセッション(景気後退)に陥るのは避けられないと思われる。問題はリセッションがどの程度になるかである。

3つ目が一番重要である。金融システムの問題である。殆どの中央銀行がここ2週間で積極的に金融緩和を行っているが、これは金融システムそのものへの対応である。しかし、問題なのは金融システムそのものが崩壊する可能性があることである。投資家はウィルス感染がどのように終結するか、経済がどの程度打撃を受けるかが分からず、保有資産を売却し、現金、特に米ドルを確保しようとしている。こういった動きがある時は、資本市場では企業に融資する資金や米ドルで決済されることの多い日々の業務の資金が不足する。そして流動性とクレジット市場に異常な圧力が掛かっている。昨日、米FRBは無制限のQE(量的緩和)を行い、大規模な融資プログラムで企業を救済すると発表した。これは現状がどれだけ厳しいかを表している。当社でも金融システムの混乱が迅速に解決しない限り、市場は継続して大きく下振れると予想している。

世界全体がウィルス感染の封じ込めに手こずっており、各国中央銀行は手段を選ばず、後先考えずに金融緩和を行っている。この状況ではV字回復を予想するのは難しい。

投資家にとって大変な時期が続くのは確かであり、終わりは見えない。騒ぎが収まった時に初めて、損失と経済的影響、資産価値を評価することができるだろう。

世界中でファンドから大量の資金が流出する中、当社の投資家の皆様にはCPグローバルでの運用を継続して頂いております。更に新規の運用申込や増額の依頼もあり、我々としては嬉しい限りです。

当社の運用が危機時でもパフォーマンスを出せるという信頼は長きに渡って築いてきたものです。何年後かに騒ぎが終わった時、当社のファンドに投資するという選択が正しかったことを再確認していただけると確信しています。

そして今相場を張るのはやめてください。今は慎重に過ごすべきだと思います。そして皆様の安全を願っております。

– RT

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安全な利回り?

先週、WHO(世界保健機関)はコロナウィルスのリスクを最高水準に引き上げ、公式にCOVID-19をパンデミックとした。ウィルス感染は急速に世界で拡がった。それを防ぐ為に行われた外出規制、都市閉鎖といったことがどれだけ経済に影響するだろうか。弱い成長とインフレが続くことが予想されるが、最終的に世界はデフレに向かうだろうか(いわゆる日本化)、或いは景気後退に陥るだろうか。

ここ2週間で世界各国の中央銀行が実際に次々とゼロ金利にし、大規模な資産買入プログラムを再開して市場に大量に流動性を供給し始めた。各国中央銀行は一斉に金利をゼロやマイナスにし、当面安い資金があることははっきりした。

この状況ではどういった資産配分が良いのだろうか。

低リスク資産の利回りが低いことで多くの投資家はリスクの高い資産を物色せざるを得なかった。安全資産の利回りは過去10年間で既に消え、 比較的安全な投資で固定利回りが欲しければ現金を枕の下に入れて願を掛けるしかない状況にある。

リスク資産の配分に関して言うと、2020年がリセッションとなるのはほぼ確実だが、特に各社エコノミストの予想通り最近下落して弱気市場になった株とコモディティーに手を出したなら間違っていると言えるだろう。

良い固定利回りの安全な投資があれば、そのポジションは維持すべきである。そうでなければ間もなくひどい目に合うだろう。

– RT

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「損切りは早く、利は伸ばせ」

「損切りは早く、利は伸ばせ」という投資格言がある。

簡単なことのように思える。しかし多くの投資家がその逆を行っているのは何故だろう。市場が自分にとってマイナスに大きく動くようなパニック状態では投資家は良い資産を売って利益を確定し、損失の出ているポジションにその資金を注ぎ込む傾向がある。

投資家が悪い投資を続ける為に良いポジションを閉じるのを見ると勿体無いと思う(そして滑稽でもある)。先週の株価暴落で多くの投資家が株のポジションを維持する為に保有している金を売却した。その後株はもう8%下落して金は5%上昇した。その結果、投資家は金における収益機会を逃し、同時に株でそれ以上の損失が出た。

これから得た教訓は何か?

人生において多くの投資機会に遭遇する。悪いものは避け、良い機会を捉えることが重要である。

群れに倣うのが安全とは限らないことを念頭に置いておかなければならない。

– RT

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そして当ファンドのNAV(純資産額)が最近増えていることに疑問を感じている方もいらっしゃるかもしれない。

当社ではリスクオフが来るのに備えて株を売り、金を買っていた。単純なアイデアと思われるかもしれないが銀行が貪欲になりすぎたことが原因で2008年に市場が大暴落した時にも同じ方法でリターンを出せた。これは気分の良い成功体験だった。

しかし今、リターンが出せたのはCOVID-19 の影響があったからである。正直素直に喜べない。ウィルスの犠牲者が増えるほどリターンが良くなるということだからである。

どう受け止めるべきだろうか。

– RT

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引退についての考え

「レイモンドには引退しないで欲しい。あと何年このリターンが続くのか、あと20年、25年続けることはできたらいい。」

去年行ったセミナーでこういう発言があった(それに続いて参加者の笑いが起こった)。

正直、私自身の引退に関する考えは40代、50代前半とその時々で変化している。葛藤があるのは確かである。

しかしここ数年で引退に関して自身のスタンスが明確になってきた。

肉体的、精神的に無理な状況でない限り、今の時代では完全な引退を決める必要はないと考えている。その代わり他社との連携やITの利用を通じて自身の役割を徐々に分配していく。これにより、私自身の負担が減るだけでなく、各役割を周囲に任せていけば各個人の役割が拡大し、その結果、全体としてより良い結果が生まれるはずである。

よって当面引退するつもりはないと言っておこう🙂

– RT

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